鏡(かがみ)の前に立つと、そこにはもう一人の自分。手をふれば、鏡の中の自分も手をふり返してくれます。でも、よーく見ると、なんだか変。右手をあげたはずなのに、鏡の中の自分は左手をあげているみたい。文字を鏡にうつすと、さかさまの読めない字になってしまう。「鏡は左右を反対にする」ってよく言いますよね。でも……それなら、なんで上下は反対にならないの? 頭は上、足は下のまま。じつは、この”当たり前”には、頭がこんがらがるほど面白いひみつがかくれているんです。今日は、そんな鏡のふしぎを、もしまる家といっしょにのぞいてみましょう。
鏡に『もしまる』って書いた紙をうつしたら、字がぜんぶ逆さま!なんで左右が反対になるの?
ほんとだ、読めない字になってるね。ふしぎ〜



まって…左右が反対になるなら、なんで上下は反対にならないの?頭は上のままだよ。おかしくない?



うわぁ、なでな、それものすごくいい質問だ!じつはな、鏡は”左右”を反対にしてるわけじゃないんだ。
まずクイズ!鏡は本当は何を反対にしている?
🌟 もしまるクイズ!
「鏡がじっさいに”反対”にしているのは、次のどれ?」
A)左右(右と左)
B)上下(上と下)
C)前と後ろ(奥ゆき)
D)本当は、何も反対にしていない
そんなの左右に決まってるよ!みんな『鏡は左右逆』って言うもん!Aでしょ!



でも左右が逆なら、上下も逆になりそうなのに、ならないんだよね…。左右じゃない別の何かな気がする。
🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!
答えは……C)前と後ろ(奥ゆき)! じつは鏡は、左右も上下も入れかえていません。反対にしているのは「前と後ろ」だけ。なでなちゃんの「左右じゃない気がする」という予想、大正解に近づいていました。
ええーっ!?前と後ろ!?左右が逆に見えるのに!?意味がわからないよ〜!



ふふ、みんなここで頭がこんがらがるんだ。ゆっくり、ひとつずつ見ていこう。
① 鏡がしているのは「前後を反対にする」だけ


鏡に手のひらを向けて、まっすぐ前へつき出してみてください。鏡の中の手は、あなたのほうへ、手前につき出してきますよね。あなたが前へ出すと、鏡の中は後ろ(手前)へ出す。これが、鏡がやっていること。つまり鏡は、前と後ろ(奥ゆき)だけを、ぺったんこに反対にしているのです。
大事なのは、このとき左右も上下も、そのままだということ。あなたの右手は、鏡の中でもちゃんと同じ右がわにあります。頭は上、足は下。ずれていません。鏡は、右と左を入れかえてなんかいないんです。



え、右手は右のまま!?じゃあ、なんで左右が逆に見えるんだろう…?
② じゃあ、なんで「左右逆」に見えるの?


ここが、いちばんのひみつ。「左右が逆」と感じるのは、鏡のせいではなく、わたしたちの頭(脳)の考え方のせいなんです。
わたしたちは、鏡の中の自分を見るとき、むいしきに「くるっと回って、こっちを向いた自分」だと考えます。友だちと向かい合うときを思い出してください。相手は、体を左右に(たてのじくで)くるっと回して、こちらを向きますよね。すると、相手の右手は、こちらから見ると左がわにきます。
鏡の中の自分も、その「向き合った人」だと脳が思いこむので、「右手が左にある=左右が逆だ」と感じてしまうのです。でも実際には、鏡は回っていません。ただ前後をひっくり返しただけ。“左右逆”は、わたしたちの脳が作り出したかんちがい(錯覚・さっかく)だったんですね。
わたしたちが『向き合った人』だと思いこむから、左右逆に感じるのね。頭のいたずらだ〜
③ なんで「上下」は逆にならないの?
なでなちゃんのさいしょの疑問にもどりましょう。「左右が逆なら、上下も逆になりそう」——なのに、ならない。それはなぜでしょう。
答えは、わたしたちが体を”たての向き”にしか回さないから。人は、向き合うときにわざわざさかだち(上下を回して)して向き合ったりしませんよね。いつも、左右に(たてのじくで)くるっと回って向き合います。だから脳は、鏡の自分も「たてのじくで回った」と考えて、左右だけ逆だと感じ、上下はそのままだと感じるのです。もし人が、さかだちして向き合うのがふつうの生きものだったら、「鏡は上下が逆だ!」と言っていたかもしれませんよ。
そっか!ぼくたちが左右にしか回らないから、左右だけ逆に感じるんだ!なんか分かってきた!



そうだ。鏡は正直に前後を反対にしてるだけ。まよってたのは、ぼくらの頭のほうだったんだ。
④ おうちでたしかめてみよう
本当かどうか、鏡の前でためしてみましょう。かんたんな実験です。
- 右手をあげて、鏡の自分と手を合わせる:あなたの右手と、鏡の中の手は、ちゃんと同じ側でピタッと合う。左右は入れかわっていない
- 「LA」など文字を書いた紙を鏡にうつす:字が反対向きになるのを見て、どっち向きにひっくり返っているか観察する
- 紙を上下さかさまにして、もう一度うつす:さっきと見え方がどう変わるか、くらべてみる
自分の目でたしかめると、「なるほど、鏡は前後を反対にしてるだけなんだ」ときっと実感できます。光が鏡ではね返る(反射する)ふしぎは、なんでシャボン玉は虹色になるの?など、身のまわりにいっぱいかくれていますよ。



自分でためしたら、ほんとに右手が右のままだった!長年のなぞがとけた気分!
💡 もしまる辞典|今日のことば
🔍 鏡(かがみ)
光をきれいにはね返す、つるつるの面。うつった物は、前と後ろ(奥ゆき)だけが反対になる。
🔍 反射(はんしゃ)
光が物にぶつかって、はね返ること。鏡は光をまっすぐはね返すので、はっきりと物がうつる。
🔍 奥ゆき(前後)
手前と、おくの向き。鏡が本当に反対にしているのは、この前後の向きだけ。
🔍 錯覚(さっかく)
本当はちがうのに、そう見えたり感じたりすること。「鏡は左右が逆」は、脳が作り出した錯覚。
まとめ|鏡は正直、まよっていたのは脳だった
- 鏡は左右も上下も入れかえていない。反対にしているのは前と後ろ(奥ゆき)だけ
- 「左右逆」に見えるのは、鏡の自分を「向き合った人」だと脳が思いこむから(錯覚)
- 人は体をたての向きにしか回さないので、左右だけ逆に感じ、上下はそのまま
- 右手をあげて鏡と手を合わせると、同じ側でピタッと合う=左右は逆じゃない
毎朝見ている鏡に、こんな頭のいたずらがかくれていたなんて、おどろきですよね。「当たり前」だと思っていたことも、よく考えると「あれ、なんでだろう?」がいっぱい。その「なんで?」こそが、科学の入り口です。身のまわりのふしぎを、これからも親子で見つけていきましょう。
『当たり前』にもなぞがあるんだ!ぼく、もっといろんな『なんで?』さがす!



よく考えると分からないことって、身近にいっぱいあるんだね。



それが”知る”って楽しさだ。『当たり前』をうたがうと、世界はもっと面白くなるぞ。
👉 光と色のふしぎをもっと:なんで虹は7色なの?
👉 空の色も光のしわざ:なんで空は青いの?
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最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟









