なんでカメレオンは体の色が変わるの?理由はひとつじゃなかった!

カメレオンといえば「周りに溶け込むために色を変える生き物」——そう思っていませんか?実はこれ、半分は合っていますが、半分は違うのです。

カメレオンが色を変える理由は、ひとつではありません。「仲間や異性へのコミュニケーション」「体温の調節」、そして「(一部は)隠れるため」——いくつもの目的が組み合わさっています。中でも近年の研究では、「コミュニケーション(仲間への信号)」がとくに大切な役割だとわかってきました。そして意外なことに、多くの人がイメージする「隠れるため」は、主な理由ではないのです——この事実を知ったとき、カメレオンの見え方がガラッと変わりました。

今日はもしまる家と一緒に、カメレオンの「ほんとうのひみつ」を発見しましょう。


もしまる君

カメレオンって、周りの色に合わせて変わるんだよね!忍者みたいでかっこいい!

ぽかママ

そうよね〜、隠れるために色を変えてるってイメージだけど、どうやってそんなことができるの?

なでなちゃん

でも……本当に「周りに合わせて」変えてるのかな?そこだけが気になる。

ワクパパ

なでなちゃん、いいところに気づいた!実は色を変える「本当の理由」は、多くの人が思ってるのとちょっと違うんだよ。答えを聞いたら「えっ!」てなるはず!


目次

まずクイズ!カメレオンが色を変えるのは、なんのため?

🌟 もしまるクイズ!

「カメレオンが体の色を変える、主な理由はどれでしょう?(実はひとつじゃない!)」

A)外敵から身を隠すための「迷彩」  B)仲間や異性へのコミュニケーション  C)体温を調節するため  D)BとCの両方が大切!

もしまる君

絶対A!隠れるため!それがカメレオンでしょ!!

ぽかママ

私もA派かな〜。でもなんかひっかけ問題の気がしてきた(笑)

なでなちゃん

カメレオンが隠れてるところ、図鑑だとあんまり見ない気がして……。うーん、決めきれない!

🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!

答えは……D)「仲間とのコミュニケーション」と「体温の調節」、両方が大切! そして近年の研究では、中でも「コミュニケーション(仲間への信号)」がとくに大きな役割だとわかってきました。

カメレオンは変温動物(体温を自分でコントロールできない生き物)なので、外からの熱で体温を管理しています。暗い色(黒など)は熱を吸収しやすく、明るい色(白や黄色など)は熱を反射して体を冷やします。この「色による体温コントロール」が色変の大きな目的のひとつです。

ワクパパ

「隠れるための色変」も少しはあるけど、それは小さな役割なんだ。とくに大きいのは仲間や異性へのコミュニケーション。そこに体温の管理も加わる——理由はひとつじゃないんだよ。


カメレオンの色変、3つの本当の理由

カメレオンが色を変える理由を、研究の成果からまとめると3つに分けられます。

理由詳細
①感情・コミュニケーション興奮・怒り→鮮やかな色。求愛のとき→特定のパターンに変化。仲間への信号として使われる。近年の研究では、これがとくに大きな役割だとされている
②体温調節寒いとき→黒く(熱を吸収)、暑いとき→明るく(熱を反射)。変温動物にとって大切な管理
③(一部)隠れるため落ち着いているときに周囲の色に近い色になることはある。ただし「カメレオンのような完全変化」は過大評価されている面もある

もしまる君

色で感情を伝えてるの!?「今怒ってるよ」って色で見せるってこと!?

ぽかママ

ポーカーフェイスが全くできないカメレオン……(笑)。感情が全部バレちゃうじゃない。

なでなちゃん

体温も感情も色で表せるって、すごい体のしくみだなぁ。

カメレオンが色を変える3つの理由(体温調節・感情やコミュニケーション・隠れるため)を示した図解

カメレオンの色が変わる「本当のしくみ」

「どうやって色を変えているのか」について、長い間「色素の移動」だと考えられていましたが、2015年の研究(スイス・ジュネーブ大学/Nature Communications)で、もっと驚くべきしくみが発見されました。

カメレオンの皮膚の下には、「イリドフォア」と呼ばれる特殊な細胞があります。この細胞の中に、光を反射するナノサイズの結晶が並んでいます。

カメレオンが興奮したり体温が変わったりすると、この結晶どうしの間隔が変化します。間隔が変わると、反射する光の波長(色)が変わるため、皮膚の色が変化して見えます——まるで宝石のような光学的なしくみで色を作り出しているのです。

これは絵の具のような「色素の混ぜ合わせ」ではなく、「光の波長を物理的に変える」仕組みです。

もしまる君

ナノサイズの結晶が並んでいて、間隔で色が変わる!?それってプリズムみたいなもの!?

ワクパパ

そう!虹が光の分散でできるのと少し似ているよ。カメレオンは体の中に「光の物理」を持っているんだ。人間の技術者もこのしくみを応用して、新しい素材や色変技術を研究しているんだよ。

カメレオンの皮膚のイリドフォア細胞で、結晶の間隔が変わると反射する光の色が変わるしくみの図解

🔖 関連記事
なんでアリは行列を作るの?
もしも世界から蚊がいなくなったら?
なんでダンゴムシは丸くなるの?
なんで空は青いの?

カメレオンの「すごい体」もっと知りたい

色変以外にも、カメレオンには驚くべき体のしくみがあります。

目が360度動く

カメレオンの目は左右独立して動き、左右で別々の方向を同時に見ることができます。なんと視野はほぼ360度。死角がほとんどないので、外敵・えさ・仲間の動きを同時に監視できます。

舌が体長の1.5〜2倍

カメレオンの舌は体長の1.5〜2倍の長さがあります。獲物を見つけると、舌の先に吸盤のような構造があり、瞬時に伸ばして捕まえます。伸ばすスピードは0.07秒。人間の目にはほとんど見えません。

足が「ものを掴む」ことに特化

カメレオンの足の指は2本+3本に分かれており、枝をはさんでしっかり掴むことができます。木の上での生活に完全に特化した設計です。

もしまる君

舌が0.07秒で伸びる!?見えないじゃん!!しかも体長の2倍って!!

ぽかママ

色変のひみつだけかと思ったら、全体的にすごい生き物だったわ(笑)カメレオン、侮っていた!

カメレオンの目・舌・足・皮膚のすごい特徴を示した図解

タコやイカも色が変わる!カメレオンとどう違うの?

色を変えられる生き物は、カメレオンだけではありません。タコやイカも瞬時に色を変えることができます。

カメレオンとタコ・イカの最大の違いは「スピード」です。カメレオンの色変は数秒〜数十秒かかることが多いですが、タコやイカは神経で直接、皮膚の中にある「色素細胞(クロマトフォア)」を開いたり閉じたりして、ほぼ一瞬で色を変えることができます。

タコが砂の上でぴったり砂の色になる様子は動画でも有名ですが、あの変化は本当に一瞬です。しかも模様のパターンまで周囲に合わせて変えることができます。

一方、カメレオンのイリドフォア細胞による変色は「光の物理」を使った高度な仕組みで、反射できる色の数や鮮やかさという点ではタコよりもカラフルな変化が可能です。とくに求愛のときの発色は、タコには真似できないほど鮮やかです。

用途でも違いがあります。タコ・イカの色変は主に「隠れる(保護色)」ことや外敵への警告が目的。カメレオンはそれに加えて「コミュニケーション(特に求愛・仲間への信号)」が大きな役割を果たしているのが特徴です。

もしまる君

タコは一瞬で変わるの!?カメレオンよりタコのほうが速いの!?

なでなちゃん

でもカメレオンのほうが気持ちを伝えるって使い方が面白いね。それぞれ進化の方向が違ったんだ。

ぽかママ

タコもカメレオンも、まったく別の生き物なのに同じように「色を変える技」を持ってるって、自然ってすごいわ。

ワクパパ

こういうふうに「違う生き物が似た機能を持つ」ことを収斂進化(しゅうれんしんか)というんだ。それぞれが別々に、同じ解決策にたどり着いたんだよ。


💡 もしまる辞典|今日のことば

変温動物(へんおんどうぶつ)
体温を自分でコントロールできず、外の気温や環境によって体温が変わる動物のこと。爬虫類・魚類・昆虫などが変温動物。人間・哺乳類・鳥類は「恒温動物」で、体温を自分で一定に保てる。

イリドフォア
カメレオンの皮膚の下にある特殊な細胞のこと。光を反射するナノサイズの結晶を持ち、結晶の間隔が変わることで反射する光の色が変化する。「光学的に色を作り出す」しくみは科学技術にも応用研究されている。

波長(はちょう)
光には様々な色があり、色によって「波の長さ(波長)」が異なる。赤い光は波長が長く、青い光は短い。カメレオンのイリドフォア細胞は、結晶の間隔を変えることで反射する波長(色)を変えている。

迷彩(めいさい)
周囲の色・柄に似せることで、外敵から見えにくくするしくみ・模様のこと。カモフラージュとも言う。カメレオンの色変は「迷彩」よりも「コミュニケーションや体温調節」が大切な目的であることが近年の研究でわかっている。

収斂進化(しゅうれんしんか)
まったく違う生き物が、似た環境や課題に対して、独立して似たような機能や形を進化させることのこと。カメレオンとタコが「色を変える」機能を持つのも収斂進化の一例。鳥とコウモリが両方「翼を持つ」のも同じ。


まとめ|カメレオンの色変、ほんとうのひみつ

  • カメレオンが色を変える理由はひとつではなく、「コミュニケーション」「体温調節」「(一部)隠れるため」。中でも研究では「コミュニケーション」がとくに大切とされる
  • 「隠れるため」は小さな理由で、よく知られているイメージとは違う
  • 色変のしくみは「色素の移動」ではなく「ナノ結晶が光の波長を変える」物理的なしくみ
  • このしくみは宝石のような光学現象で、科学技術にも応用研究されている
  • カメレオンは色変だけでなくほぼ360度の視野・体長の2倍の舌(0.07秒)もすごい
もしまる君

カメレオンって「隠れる生き物」じゃなくて、「色でおしゃべりする天才」だったんだ!ぜんぜん違う!!

ぽかママ

色で感情が全部バレちゃうカメレオン……なんかかわいいわね(笑)。人間だったら嘘がつけない生き物ね。

なでなちゃん

ナノの結晶で光を変えるって……生き物が物理の法則を使ってるなんて、すごいな。

ワクパパ

「知っていること」が変わると、見え方が変わる。カメレオンを見るたびに「いま何か気持ちを伝えてるのかな」「体温を調節してるのかな」って思えるようになったかな?


※この「もっと知りたくなったら」では、アフィリエイト広告(PR)を含む商品を紹介しています。

もっと知りたくなったら 📚

「爬虫類や生き物のしくみをもっと知りたい!」という親子には、こんな本がおすすめです。

動物園でカメレオンを見かけたら、ぜひ「今、何か気持ちを伝えてるのかな?体温を調節してるのかな?」と観察してみてください!

楽天ブックス
¥2,420 (2026/06/12 01:34時点 | 楽天市場調べ)
ファンクスストア
¥7,980 (2026/06/05 11:49時点 | 楽天市場調べ)

最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟

X

Xでも、もしまる

生き物や科学のちいさな「なんで?」を、毎日ひとつぶやいています。親子の会話のネタ探しに、よかったらのぞいてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

もしまる家のパパ。ふだんは科学にたずさわる仕事をしている、2児の父です。毎週末、子どもたちと公園や野山で生き物探し。趣味はテニス。難しい科学を“勉強”じゃなく“冒険”として、親子で楽しむコツを発信しています。子どもの「もしも?」「なんで?」が大好物です。

目次