秋の夜、まどの外から「リーンリーン」「コロコロ」と、きれいな虫の声が聞こえてきますよね。夏のセミとはちがう、やさしい音色。でも、あの虫たちは、なんで秋の夜にわざわざ鳴くのでしょう?そして、口もないのに、どうやってあんな音を出しているの?今日は、そんな虫の声のひみつを、もしまる家といっしょにのぞいてみましょう。
ねえ聞いて!夜になると虫がいっぱい鳴いてる!なんで秋の夜って鳴くの?
ほんとにきれいな声ねぇ。ママ、この音好き。秋だなぁって感じがする



でも虫って口で歌ってるわけじゃないよね…?どうやってあの音を出してるんだろう?



するどいな、なでな。あの音はな、虫が体を”楽器”みたいに使って出してるんだ。しかも、鳴いてるのはほとんどオスだけなんだぞ。
まずクイズ!虫はどうやって鳴いているの?
🌟 もしまるクイズ!
「コオロギやスズムシは、どうやって音を出している?」
A)口を大きく開けて歌っている
B)はね(つばさ)をこすり合わせている
C)おなかをポンポンたたいている
D)足で地面をこすっている
前にバッタが動くとき、なんか体こすってた気がする…!音と関係あるかも?



口で歌うのはちがう気がするなぁ。体のどこかをこすってるのかも。
🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!
答えは……B)はね(つばさ)をこすり合わせている! もしまる君の「体をこすってる」という気づき、いいところをついていました。
やっぱり!はねで音を出してたんだ!口じゃないんだ〜!



そう、まるでバイオリンみたいにな。くわしく見ていこう。
① 鳴いているのは、ほとんど「オス」だけ
じつは、コオロギもスズムシも、鳴いているのはほとんどオスだけです。なんのために鳴くかというと、いちばんの理由はメスを呼ぶため。「ここにいるよ、きてね」と、声(音)でメスにアピールしている、いわば虫のラブソングなんです。
それだけではありません。オス同士では「ここはぼくのなわばりだぞ」と主張するためにも鳴きます。スズムシは、近くにメスがいるときと、オスだけのときとで、鳴き方を変えることも知られています。あの声には、ちゃんと”言葉”のような意味がこめられているんですね。
あの声、ラブソングだったの!?なんだかロマンチックねぇ
② どうやって鳴くの?=はねをこすり合わせる


虫には、人間のような口や声はありません。ではどうやって音を出すのかというと、左右のはね(前ばね)をこすり合わせて音を鳴らしています。
ひみつは、はねについたぎざぎざのヤスリのような部分。かた方のはねのふちを、もうかた方のヤスリにこすりつけると、細かくふるえて「リーン」と音がひびきます。ギターやバイオリンの弦をこするのとにた仕組みです。はねを立てて、すごい速さでこすっているんですよ。
はねがヤスリになってるの!?虫って、体に楽器を持ってるんだ!
③ 虫の”耳”は、なんと前あしにある!
オスが一生けんめい鳴いても、メスに聞こえなければ意味がありません。では、コオロギの耳はどこにあると思いますか?——じつは、前あし(前脚)についているんです。
コオロギやキリギリスは、前あしのひざの近くに、音を感じる小さな耳を持っています。だから、あしで音を”聞いて”、オスの鳴き声のする方へ向かっていくことができるのです。人間の感かくとはずいぶんちがっていて、おもしろいですよね。



耳が足にあるの!?体のつくりが、人間とぜんぜんちがう!



生きものによって、耳の場所も音の出し方もいろいろ。自然っておもしろいだろう?
④ なんで「秋の夜」に鳴くの?
虫の声が秋によく聞こえるのには、理由があります。コオロギやスズムシは、じつは暑さがとても苦手。真夏のあつい時間はあまり鳴かず、すずしくなってくる夏の終わり〜秋に、元気に鳴きはじめます。
さらに、これらの虫の多くは夜に活動するなかま。昼は草かげにかくれ、あたりがすずしく静かになる夕方から夜にかけて、いっせいに鳴きはじめます。だから「秋の夜=虫の声」というイメージになるんですね。
暑いのが苦手だから、すずしい秋に鳴くのね。だから夏の夜とちがうんだ
⑤ 種類でちがう、いろんな声


耳をすませると、いろんな声がまざって聞こえます。虫の種類によって、鳴き方がぜんぜんちがうんです。
- スズムシ:「リーン、リーン」と、すずをふるような美しい音
- エンマコオロギ:「コロコロコロ…」と、やさしく続く音
- マツムシ:「チンチロリン」と、リズムのある音
- キリギリス:「チョンギース」と、力強い音
夜のさんぽで「今の声はどの虫かな?」と当てっこするのも楽しいですよ。声を聞き分けられるようになると、秋の夜がもっと豊かに聞こえてきます。
今日の夜、どの虫が鳴いてるか当てっこする!リーンリーンはスズムシ!
⑥ 虫の声は「自然の温度計」
おもしろいことに、コオロギは気温が高いと速く、低いとゆっくり鳴きます。虫は自分で体温を作れない変温動物(へんおんどうぶつ)なので、まわりの気温に鳴くスピードが左右されるのです。
つまり、鳴くスピードを聞けば、その夜のあたたかさがなんとなく分かるということ。虫の声は、秋の夜の”自然の温度計”にもなっているんですね。



鳴き方がゆっくりになってきたら、秋が深まって、もうすぐ冬だなってわかるんだ。
💡 もしまる辞典|今日のことば
🔍 発音器(はつおんき)
虫が音を出すための”楽器”の部分。コオロギやスズムシは、前ばねのぎざぎざ(ヤスリ)をこすり合わせて音を鳴らす。口ではない。
🔍 求愛(きゅうあい)
オスがメスを呼び、「けっこんしてね」とアピールすること。虫の声のいちばんの目的。鳴くのはほとんどオスだけ。
🔍 変温動物(へんおんどうぶつ)
自分の体温を作れず、まわりの気温に体温が左右される生きもの。虫・魚・カエルなど。気温が高いとよく動き、低いと動きがにぶくなる。
🔍 夜行性(やこうせい)
昼は休み、夜に活動する性質。多くの鳴く虫は、すずしく静かになる夜に元気に鳴く。
まとめ|秋の夜は、虫たちのコンサート
- 鳴いているのはほとんどオス。メスを呼ぶラブソング+なわばりの主張
- 音は口ではなく、はね(前ばね)のヤスリをこすり合わせて出している
- コオロギの耳は前あしにある
- 暑さが苦手なので、すずしい秋の夜に元気に鳴く
- 種類で声がちがい、気温が高いと速く、低いとゆっくり鳴く(変温動物)
今夜、虫の声が聞こえたら、少しだけ耳をすませてみてください。あれはオスたちが体を楽器にして奏でる、秋の夜のコンサート。虫の世界のふしぎは、なんで虫は光に集まるの?やキャンプで見つかる生き物図鑑でも紹介しています。



あの声、オスのラブソングだと思うと、なんだかいとおしいね。
虫が体で楽器ひいてるなんて!ぼく、虫のこともっと知りたくなった!



それが”知る”って楽しさだ。秋の夜は、ふしぎがいっぱいだな。
👉 虫のふしぎをもっと:なんでセミは何年も土の中にいるの?セミの一生
👉 夜の虫を探しに行くなら:キャンプで見つかる生き物図鑑|昼・川・夜に会える虫と観察のコツ
もっと知りたくなったら 📚
「鳴く虫を、おうちで飼って声を聞いてみたい!」「虫の名前をもっと知りたい!」と感じた親子には、こんなアイテムがおすすめです。
スズムシやコオロギは、飼育(しいく)ケースがあれば、おうちでも声を楽しめます。夜、へやに響く「リーンリーン」を聞きながらねむるのは、秋ならではのぜいたく。昆虫図鑑を一冊そえれば、「これは何ていう虫だろう?」の答えがすぐ見つかって、子どもの好奇心がぐんぐん育ちますよ。
最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟









