「セミは土の中で7年、地上ではたった1週間」——そんな話を聞いたことはありませんか。夏の公園でミンミン鳴くあのセミには、実はもっとおどろきの一生がかくれています。しかも「7年」も「1週間」も、少しだけちがうんです。
セミってさ、すぐ死んじゃうんでしょ?なんか、かわいそう…。



でも、なんで土の中にそんなに長くいるの?せっかく飛べるのに。



いいところに気づいたなぁ。実はセミにとっては、土の中こそが”本番”なんだ。かわいそうどころか、すごい作戦を持っているんだぞ。
え〜、土の中が本番なの?ずっと外で鳴いてるイメージだった。
まずクイズ!セミは土の中で何年すごす?
🌟 もしまるクイズ!
「セミは、たまごからかえって成虫になるまで、土の中でどれくらいすごすでしょう?」
A)数ヶ月 B)1年くらい C)数年(種類によってちがう) D)ぜったい7年
ぜったい長いほうだと思う!だってあんまり見ないもん。ぜったい何年もいるって!



7年ってよく聞くけど……ほんとに全部のセミが7年なのかな?あやしい気がする。
うーん、1年くらいじゃないの?そんなに長いとは思えないなぁ。
🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!
答えは……C)数年(種類によってちがう)。もしまる君の「長いほう」という直感が当たりです。よく言われる「7年」は、実はどのセミにも当てはまるわけではありません。日本のセミの多くは、土の中で2〜5年くらいすごします。
やった、当たった!でも7年じゃないんだ!?



そう。しかも世界には、なんと17年も土の中ですごすセミもいるんだ。順番に見ていこう。
セミの一生は、土の中が「本番」だった
セミのお母さんは、木の枝などにたまごを産みます。たまごからかえった小さな幼虫は、地面にもぐって土の中の生活を始めます。
土の中で、幼虫は木の根っこから出るしる(樹液)を吸ってゆっくり育ちます。何回も脱皮をくり返しながら、少しずつ大きくなっていくのです。この土の中の時間が、セミの一生のほとんどをしめています。
つまりセミは、地上でみんなに見られている姿より、見えない土の中ですごしている時間のほうがずっと長い生き物なんです。



じゃあ、地上のセミは”最後のすがた”なんだ。ずっと土の中でがんばってきたんだね。


「7年」はどこから来たの?種類でこんなにちがう
「セミ=7年」というイメージは有名ですが、実際は種類によってバラバラです。
| セミの種類 | 土の中の期間(およそ) |
|---|---|
| 日本のセミ(アブラゼミ・ミンミンゼミなど) | 2〜5年くらい |
| アメリカの「周期ゼミ」 | なんと13年 or 17年 |
アメリカにいる「周期ゼミ」は、決まった年数(13年や17年)をかけていっせいに地上に出てきます。何億匹ものセミが同じ年に出てくるので、その年のアメリカはセミだらけ。次に出てくるのは13年後、17年後です。
17年!?ぼくが生まれる前からずっと土の中ってこと!?長すぎる!!



そうなんだ。いっせいに出てくると、鳥に食べられても”数が多すぎて食べきれない”。みんなで生きのこる、すごい作戦なんだよ。
地上に出たセミは、どうなるの?
じゅうぶんに育った幼虫は、夏の夜に土から出てきて、木にのぼり、最後の脱皮をします。これを「羽化」といいます。夜に羽化するのは、体がかたまるまでの無防備な時間に、天敵に見つかりにくくするためだと考えられています。
成虫になったセミの目的は、パートナーを見つけて次のたまごを残すこと。ミンミン、ジリジリと鳴くのはオスだけで、メスを呼ぶための歌なんです。
そして「地上では1週間」もよく言われますが、これも実はちがいます。天敵に食べられずにすめば、成虫は2〜4週間、長いものは1か月近く生きることが分かっています。「1週間」と言われるのは、カラスなどにねらわれて早く命を落とす個体が多いから。つまり”生きられる長さ”は、もっと長いんです。
なんだ、かわいそうじゃないんだね。長いあいだ土の中でがんばって、最後に思いっきり歌ってるんだ。
今年の夏は、セミの声もう”うるさい”って思わない!応援する!
セミはどうやって鳴いてるの?声で種類がわかる
ところで、セミはどうやってあんなに大きな声を出しているのでしょう。実はセミは、人間のように口やのどで鳴いているのではありません。オスのおなかには「発音膜(はつおんまく)」という、うすい膜があります。この膜を筋肉で高速にふるわせて音を出し、おなかの中の空どうで音を大きくひびかせているのです。
おもしろいのは、種類によって鳴き方がまったくちがうこと。声を聞くだけで、どのセミがいるか分かります。
| セミ | 鳴き方 | よく鳴く時間 |
|---|---|---|
| アブラゼミ | ジリジリジリ… | 昼 |
| ミンミンゼミ | ミーンミンミン | 昼 |
| ヒグラシ | カナカナカナ… | 朝と夕方 |
| クマゼミ | シャシャシャ… | 午前中 |
ヒグラシが「カナカナ」と鳴くのは、おもに朝と夕方のすずしい時間。夏の夕暮れにあの声を聞くと、なんだかせつない気持ちになりますよね。声の主が分かると、散歩がぐっと楽しくなりますよ。



声でセミの名前が分かるんだ!今度から、どのセミが鳴いてるか当ててみたい!



それ、いい遊びだな。鳴き声を録音して種類を調べたら、それだけで立派な自由研究になるぞ。


💡 もしまる辞典|今日のことば
幼虫(ようちゅう)
たまごからかえったばかりの、成虫になる前の姿。セミの幼虫は土の中で木の根のしるを吸って育つ。
羽化(うか)
幼虫が最後の脱皮をして、はねのある成虫になること。セミは夏の夜に羽化する。
周期ゼミ(しゅうきゼミ)
アメリカにいる、13年や17年ごとにいっせいに地上へ出てくるセミ。数の多さで生きのこる作戦を持つ。
発音膜(はつおんまく)
オスのセミのおなかにある、うすい膜。すばやくふるわせて大きな鳴き声を出す。メスを呼ぶための”歌”の道具。
まとめ|セミは「土の中の時間」を生きる名人
- セミは一生のほとんどを土の中の幼虫としてすごす
- 土の中の期間は種類によってちがい、日本のセミは2〜5年くらい(「7年」は種類による)
- アメリカには17年も土の中ですごす周期ゼミもいる
- 夏の夜に羽化して成虫になり、鳴くのはオスだけ
- 地上の期間は「1週間」より長く、2〜3週間生きることもある



今度セミの抜けがらを見つけたら、それは”何年も土の中でがんばった証拠”だ。ちょっと見方が変わるだろう?
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もっと知りたくなったら 📚
セミの抜けがらは、公園でかんたんに見つかる”自由研究のタネ”です。どの木に多いか、オスとメスで抜けがらがちがうか、集めてくらべるだけで立派な研究になりますよ。
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