もしも血液が青色だったら?青い血の生き物は実在した!

青いタコと青いカニをのぞきこむもしまる家の親子(もしも血液が青色だったら?のアイキャッチ)

ケガをすると、赤い血が出ますよね。でも、もしその血が青色だったら——ちょっとかっこいいと思いませんか。じつはこれ、ただの空想ではありません。地球には本当に青い血を持つ生き物がいるのです。しかもその血は、わたしたちの命を守る医療にも役立っています。


もしまる君

もしもさ〜!血が青かったら、青い恐竜みたいでかっこよくない!?

なでなちゃん

でも、なんで人間の血は赤いんだろう?赤い理由があるってことだよね?

ワクパパ

うおっ、いい質問だ。実はな、青い血の生き物は本当にいるんだぞ。しかも人間の血が赤いのにも、ちゃんとしたワケがあるんだ。

ぽかママ

え〜!青い血の生き物って、SF映画じゃなくて本当にいるの!?


目次

まずクイズ!青い血の生き物は本当にいる?

🌟 もしまるクイズ!

「青い血が流れている生き物は、本当にいるでしょうか?」

A)いない。血はぜんぶ赤い  B)タコやカニは青い血  C)宇宙人だけ  D)水の中の生き物はぜんぶ青い

もしまる君

うーん、Aかなぁ。血って赤いに決まってるじゃん!

なでなちゃん

でもパパが『本当にいる』って言ってたから……Aじゃない気がする。どれだろう?

ぽかママ

ママも赤いイメージしかないなぁ。でも海の生き物ってふしぎだから……。

🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!

答えは……B)タコやカニは青い血! タコ・イカ・カニ・エビなどは、本当に青い血が流れています。なでなちゃんの「Aじゃない気がする」という予想、するどいですね。

もしまる君

えーーー!タコの血って青いの!?知らなかった!

ワクパパ

そうなんだ。血の色は、その中に入っている『酸素を運ぶ道具』でちがってくる。順番に見ていこう。


なんで人間の血は赤いの?

人間の血が赤いのは、血の中にいる赤血球(せっけっきゅう)という小さなつぶのおかげです。この赤血球の中には、ヘモグロビンという物質が入っています。

ヘモグロビンには鉄(てつ)がふくまれています。この鉄が酸素とくっつくと、赤い色になるのです。くぎや自転車が雨にぬれてサビると、赤茶色になりますよね。あれと同じで、鉄は酸素とくっつくと赤くなる性質があります。

つまり人間の血が赤いのは、鉄を使って全身に酸素を運んでいるから。血が赤いのは、体じゅうに酸素をとどける大事な仕事をしている証拠なんです。

なでなちゃん

血の赤って、鉄の色だったんだ!サビと同じって言われると、なんだか納得しちゃう。


タコやカニの血が青いのは「銅」のしわざ

では、タコやカニの血はなぜ青いのでしょう。じつは、酸素を運ぶ道具が人間とちがうからです。

タコ・イカ・カニ・エビは、鉄のかわりに銅(どう)を使って酸素を運びます。この銅が入った物質をヘモシアニンといいます。銅は酸素とくっつくと、赤ではなく青くなるのです。

10円玉は銅でできていますが、古くなると青っぽい緑色に変わっているものがありますよね。銅は酸素とくっつくと青や緑になる——だからタコやカニの血は青いのです。同じ「酸素を運ぶ」でも、鉄なら赤、銅なら青。使う金属で血の色が変わるなんて、おもしろいですよね。

もしまる君

10円玉が青くなるのと同じなんだ!じゃあタコの体の中、10円玉の色の血が流れてるってこと!?

ワクパパ

そういうことだ。冷たい海の中では、銅を使うほうが酸素をうまく運べると言われているんだ。生き物は、すむ場所に合わせて体を工夫しているんだよ。


カブトガニの青い血が、人の命を守っている

青い血の話には、おどろきの続きがあります。カブトガニという、大昔から姿がほとんど変わっていない生き物の青い血は、医療(人の命を守る仕事)にとても役立っているのです。

カブトガニの青い血には、ばいきん(悪いもの)が入るとすぐに固まって知らせてくれる、特別な力があります。この力を使って、注射のお薬や点滴に悪いものが混ざっていないかを検査することができます。世界じゅうの病院で使うお薬の安全を、カブトガニの青い血が支えてきたのです。

ぽかママ

え〜!青い血って、ただ変わってるだけじゃなくて、人の役に立ってたのね。ちょっと見直しちゃった。

なでなちゃん

生き物のふしぎが、お薬の安全につながってるんだ。すごいなぁ。


血の色は青だけじゃない!緑・むらさき・とうめいの血

血の色くらべの図解。人間は赤い血(鉄)、タコやカニは青い血(銅)、トカゲは緑、ホシムシはむらさき、コオリウオはとうめいの血。

赤(鉄)と青(銅)だけでも十分おどろきですが、地球にはもっとふしぎな色の血を持つ生き物がいます。ここまで来たら、血の色の世界をもう一歩のぞいてみましょう。

◆ 緑色の血のトカゲ
南の海にうかぶ大きな島(ニューギニア)には、血がライトグリーン(黄緑色)のトカゲがいます。体の中に「みどり色のもと」がたっぷりあって、なんと骨や舌まで緑色。ふつうなら体をこわしてしまうほどの量なのに、このトカゲはへっちゃらで元気に暮らしている——科学者もまだ理由をさがしている、なぞだらけの生き物です。

◆ むらさき色の血の海の生き物
海の底の砂にもぐってくらす「ホシムシ」という生き物は、酸素とくっつくとむらさき(うすい赤むらさき)になる血を持っています。これも鉄や銅とはちがう、また別の道具で酸素を運んでいるからなんです。血の色って、こんなに種類があるんですね。

◆ とうめい(色なし)の血の魚
いちばんびっくりなのがこれ。南極の冷たい海にすむコオリウオという魚は、なんと血がとうめい。赤血球もヘモグロビンも持っていない、背骨のある生き物では地球でただひとつの存在です。ふつうなら生きていけないはずですが、南極の海はとても冷たくて酸素がたっぷりとけているので、血のえきに酸素をそのまま溶かして運べる。だから色のもとがなくても平気なんです。

もしまる君

とうめいの血!?じゃあ体の中に水が流れてるみたいってこと!?かっこよすぎる〜!

ワクパパ

すごいだろう。血の色は赤だけじゃないんだ。生き物は、すむ場所に合わせて『酸素の運び方』をそれぞれ工夫して、その結果いろんな色になった。血の色は、その子の生き方そのものなんだよ。


もしも人間の血が青かったら?

ここで、もしまる君の空想にもどってみましょう。もし人間の血が青かったら、どうなっていたと思いますか。

それは、体が鉄ではなく銅を使って酸素を運ぶ体になっていた、ということ。見た目は青くてかっこいいかもしれませんが、じつは人間のような大きくて活発な体には、銅より鉄のほうがたくさんの酸素をすばやく運べると考えられています。走ったりジャンプしたりする元気な体には、赤い血のほうが向いているのですね。

ちなみに、自分のうでを見て「血管が青く見える」と思ったことはありませんか。でもあれは、血が青いからではありません。皮膚をとおして血管を見ると、光の見え方のかげんで青っぽく見えるだけ。切ったら出てくる血は、やっぱり赤いのです。

もしまる君

青い血もかっこいいけど、走るのが好きなぼくは赤い血のほうが合ってるんだ!


💡 もしまる辞典|今日のことば

赤血球(せっけっきゅう)血の中にいる小さな赤いつぶ。体じゅうに酸素を運ぶ、いわば体の中の「宅配便」。

 

ヘモグロビン赤血球の中にある、鉄をふくんだ物質。酸素とくっつくと赤くなる。人間の血が赤いのはこれのおかげ。

 

ヘモシアニンタコやカニの血にある、銅をふくんだ物質。酸素とくっつくと青くなる。

 

カブトガニ2億年以上前から姿がほとんど変わらない生き物。青い血が、お薬の安全を調べる検査に使われている。

 

コオリウオ南極の冷たい海にすむ、血がとうめいな魚。背骨のある生き物では、ヘモグロビンを持たない世界でただひとつの仲間。

 


まとめ|血の色は「酸素を運ぶ道具」で決まる

  • 人間の血が赤いのは、鉄(ヘモグロビン)で酸素を運んでいるから
  • タコ・イカ・カニ・エビの血が青いのは、銅(ヘモシアニン)で酸素を運んでいるから
  • 鉄は酸素とくっつくと赤、銅は青——使う金属で血の色が変わる
  • カブトガニの青い血は、お薬の安全を調べる医療に役立っている
  • 血の色は赤・青だけじゃない——緑・むらさき・とうめいの血を持つ生き物もいる
  • うでの血管が青く見えるのは、光の見え方のせい。人間の血はやっぱり赤い
ワクパパ

今度、海でカニやエビを見かけたら思い出してごらん。あの体の中には、青い血が流れてるんだ。知ると、生き物を見る目がちょっと変わるだろう?


親子のギモンQ&A|青い血のふしぎ

お子さんから聞かれそうな「青い血」のギモンを、先まわりでまとめました。読み聞かせのときのヒントにどうぞ。

Q. 人間も、酸素が少なくなると血が青くなるの?
いいえ。酸素が少ない血は「青」ではなく「暗い赤(あずき色)」になります。うでの血管が青っぽく見えるのは、皮ふをとおして見たときの光のかげんで、血そのものが青いわけではありません。

Q. タコの血は、いつでも真っ青なの?
酸素とくっついているときは青く見えますが、酸素がはなれると色がうすくなって、ほとんどとうめいに近くなります。青が濃くなったりうすくなったり、いそがしい血なんです。

Q. カブトガニは、血をとられても大丈夫なの?
検査に使う分だけとって、多くはまた海にもどされます。ただ、カブトガニへの負担も心配されていて、最近は青い血を使わずに調べる新しい方法も少しずつ広がってきています。


もっと知りたくなったら 📚

血の色ひとつでも、生き物によってこんなにちがう。この「なんで?」をもっと深めたくなったら、体の中を旅する記事もどうぞ。

👉 血が体をどうめぐっているかは 食べたものはどこへ行くの?体の中の旅
👉 血のもうひとつのふしぎ「なんで人間には血液型があるの?」もあわせてどうぞ(近日公開)。

タコやカニ、カブトガニのような海の生き物のふしぎをもっと知りたくなったら、生き物図鑑が一冊あると、親子の「へぇ!」がぐっと増えます。最後まで読んでくれてありがとうございます🌟

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生き物や科学のちいさな「なんで?」を、毎日ひとつぶやいています。親子の会話のネタ探しに、よかったらのぞいてみてください。

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この記事を書いた人

もしまる家のパパ。ふだんは科学にたずさわる仕事をしている、2児の父です。毎週末、子どもたちと公園や野山で生き物探し。趣味はテニス。難しい科学を“勉強”じゃなく“冒険”として、親子で楽しむコツを発信しています。子どもの「もしも?」「なんで?」が大好物です。

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