もしも海が甘かったら?海の生き物と地球はどうなるの?

もしも海が甘かったら?もしまる家が夏の海辺で甘いジュースの海を想像するアイキャッチ

海水浴で海の水をうっかり飲んでしまって「しょっぱい!」となったとき、こう思ったことはありませんか?「これがジュースみたいに甘かったらいいのに!」

あま〜い砂糖水でできた海。想像するとちょっとワクワクしますよね。でも、もしも本当に海が甘くなったら……実は、海の中は大変なことになってしまうんです。魚は泳げなくなり、海はドロドロに。いったいなぜなのでしょう?

今日はもしまる家といっしょに、「甘い海」を想像しながら、海がしょっぱいことのすごい意味を発見していきましょう!


もしまる君

もしもさ〜!海がぜんぶ甘いジュースだったら最高じゃない!?泳ぎながらゴクゴク飲めるし!

なでなちゃん

えー、でもさ……海って甘くて本当に大丈夫なのかな?魚たちは平気なの??

ぽかママ

あはは、もしまるらしい発想〜!でもママもちょっと気になるかも。甘い海ってどうなるのかしら?

ワクパパ

うおっ、これ絶対おもしろいやつだ!実はな、海が甘くなったら……世界はとんでもないことになるんだぞ。一緒に想像してみようか!


目次

まずはクイズ!甘い海で魚はどうなる?

もしまる君

甘いんだから、魚も元気モリモリでしょ!Aだ!

なでなちゃん

うーん……でも海の魚って、塩水で暮らしてるんだよね?急に甘くなったら……?

🌟 もしまるクイズ!

「もしも海が甘い砂糖水になったら、海の魚はどうなる?」

A)元気いっぱい泳ぎ回る  B)生きられなくなってしまう

C)甘くて大きく育つ  D)なにも変わらない

🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!

答えは……B)生きられなくなってしまう!

海の魚の体は、塩水の中で生きられるように、何百万年もかけてできあがっています。だから急に甘い水や真水になると、体の「水加減」がくずれて、元気に泳げなくなってしまうんです。そのしくみを、これから一緒にひもといていきましょう!


甘い海は、あっという間に「腐って」しまう

甘い砂糖の海は細菌が大ぞうしょくして腐ることを示す図解

まず想像してほしいのは、甘い砂糖水を入れたコップを、暑い部屋に何日も置いておいたらどうなるか、ということです。答えは……ドロドロにくさって、いやなにおいがしてきますよね。

これは、空気中にいる細菌(さいきん)やカビが、砂糖を大好物としてどんどん食べて増えるからです。砂糖は、小さな生き物たちにとって最高のごちそう。栄養たっぷりの甘い水は、菌が爆発的に増えるのにぴったりの場所なのです。

もしも海ぜんぶが甘い砂糖水になったら、地球じゅうの海が巨大な「菌のパーティ会場」に早変わり。数えきれないほどの細菌が増えて、海はにごり、ドロドロにくさってしまうでしょう。さわやかな青い海は、もう見られなくなってしまうかもしれません。

実は、海がしょっぱいことには、こうした「腐りにくくする」はたらきもあるんです。塩には菌の増えるのをおさえる力があり、昔から食べ物を塩づけにして保存してきたのも同じ理由なんですよ。

もしまる君

えーー!甘い海ってドロドロにくさっちゃうの!?せっかくのジュースの海が……!

ワクパパ

そうなんだ。塩には菌をおさえる力がある。海がしょっぱいおかげで、海はくさらずにキレイなままでいられるんだぞ。


海の魚は「塩水仕様」の体だった

海の魚は塩水仕様で甘い水だと体に水が入りすぎてふくらむ浸透の図解

つぎは、クイズの答えにもあった魚のお話です。海の魚の体は、まわりが塩水であることを前提にしてつくられています。これがとても大事なポイントなんです。

生き物の体には、こんな性質があります。うすい水と濃い水が、うすい膜(まく)をはさんでとなり合うと、水はうすいほうから濃いほうへ移動するのです。これを「浸透(しんとう)」といいます。

身近なところでも浸透は起きています。キュウリに塩をふってしばらく置くと、水がにじみ出てくるのを見たことはありませんか?あれは、キュウリの中の水が、塩で濃くなった外側へ移動しているからなんです。ナメクジに塩をかけると小さくちぢむのも同じしくみ。体の水が外へ出ていってしまうんですね。

海の魚の体の中は、まわりの海水よりも塩がうすくなっています。だから魚は、ほうっておくと体の水がどんどん外へ逃げていってしまう。そこで海の魚は、たくさん海水を飲んで、えらから塩をすて、水分をキープするしくみを持っているのです。

ところが、もしも海が甘い水や真水になったら、今度は逆。まわりの水のほうがうすくなるので、体の中へ水がどんどん入りすぎてしまうんです。体がパンパンにふくらんで、塩水仕様の海の魚は生きられなくなってしまいます。甘い海は、魚にとってはとても危険な場所なのです。

なでなちゃん

そっか……海の魚は塩水に合わせた体なんだ。甘い水だと、体に水が入りすぎちゃうんだね!

ワクパパ

いいところに気づいたなぁ!だから川にすむ魚と海にすむ魚は、体のつくりがちがうんだ。それぞれの水に合わせて進化してきたんだよ。


甘い海は、こおりやすくなる!?

塩の海はこおりにくく甘い水の海はこおりやすいことを示す図解

もうひとつ、おもしろいことが起きます。それは「こおり方」が変わること。

ふつうの水は0℃でこおりますが、塩水は0℃より低い温度にならないとこおりません。雪の積もった道に塩をまくと、こおりにくくなるのを見たことがあるかもしれませんね。あれと同じで、塩には水をこおりにくくするはたらきがあるんです。

今の海は塩水だから、寒い冬でもなかなかこおりません。でも、もしも海が甘い水になったら、塩のこおりにくくする力が弱くなって、今よりずっとこおりやすい海になってしまうかもしれません。寒い地方の海が冬になるたびにカチカチにこおったら、海の生き物も、漁をする船も大変ですよね。

もしまる君

甘い海はこおりやすくなるんだ!じゃあスケートできちゃう……いや、生き物が困っちゃうか〜!

ぽかママ

塩のおかげで海がこおりにくいなんて、知らなかった〜!海って本当によくできてるのねぇ。


サンゴも海そうも、塩の海で生きている

海でくらしているのは、魚だけではありません。カラフルなサンゴ、ゆらゆらゆれる海そう、横歩きのカニ、すみをはくタコ、貝やエビ、ふわふわのクラゲ……たくさんの生き物が、塩の海を「ふるさと」にしています。

これらの生き物も、みんな塩水の中で生きられるように体ができています。もしも海が甘くなったら、サンゴはよわってしまい、サンゴをすみかにしている小さな魚たちもくらせなくなる。海そうがかれてしまえば、それを食べる生き物も困ってしまいます。

海の生き物は、おたがいに「食べる・食べられる」でつながっています。ひとつがくずれると、ドミノだおしのように、海の世界ぜんぶに影響が広がっていくのです。海がしょっぱいことは、たくさんの命をささえる、とても大切なじょうけんなんですね。

なでなちゃん

魚もサンゴも海そうも、みんな塩の海で生きてるんだ……海って、命でいっぱいの世界なんだね。

ワクパパ

そのとおり。『甘かったら楽しそう』の裏には、こんなに大事なしくみがかくれてるんだ。想像してみると、海のすごさが見えてくるだろ?


じゃあ、本当はなんで海はしょっぱいの?

ここまで読んで、こう思ったかもしれません。「甘い海が大変なのはわかったけど、そもそも、なんで海はしょっぱいの?」

かんたんに言うと、海の塩は川が陸から運んできたものなんです。川の水にもほんの少しだけ塩のもとがとけていて、それが何億年ものあいだ海に運ばれ、水だけが蒸発して出ていくことで、塩がだんだん濃くなっていきました。海は、いわば「何億年もかけて煮詰まったスープ」のようなものなのです。

このしくみをもっとくわしく知りたい人は、別の記事でじっくり解説しています。あわせて読むと、「甘い海」と「しょっぱい海」の両方から、海のひみつがまるごとわかりますよ。

もしまる君

甘い海を想像したら、しょっぱい海のすごさがわかってきた!次はなんでしょっぱいのか知りたい!


まとめ|海がしょっぱいのには、大事な意味があった!

  • 甘い砂糖の海だと、細菌が大ぞうしょくして海がくさってしまう
  • 塩には菌をおさえる力があるので、海はキレイなままでいられる
  • 海の魚は塩水仕様の体なので、甘い水や真水では生きられない(浸透のしくみ)
  • 塩水はこおりにくいので、甘い海は今よりこおりやすくなる
  • サンゴも海そうも塩の海で生きていて、甘くなると海の生態系がまるごと変わる
  • 海がしょっぱい本当の理由は、川が運んだ塩が何億年も濃くなったから
なでなちゃん

甘い海はおいしそうだけど、しょっぱい海じゃないと、生き物は生きられないんだね。ちゃんとわかった!

もしまる君

今度海に行ったら『この塩、みんなを守ってるんだ〜!』って思っちゃうな!

ワクパパ

いいなぁ、それ。『もしも?』を想像すると、いつもの海がもっとすごく見えてくる。知るって、ワクワクするよな!


💡 もしまる辞典|今日のことば

浸透(しんとう)

うすい水と濃い水が、うすい膜をはさんでとなり合うと、水がうすいほうから濃いほうへ移動すること。海の魚は体の中が海水よりうすいので、ほうっておくと水が外へ逃げてしまう。だから海水を飲んで塩をすて、水分をキープしているんだ。逆に甘い水や真水だと、体に水が入りすぎてしまうよ。この「水を一定にたもつ力」は、生き物が生きるためのとても大切なしくみなんだ。

細菌(さいきん)

目に見えないほど小さな生き物。砂糖などの栄養があると、ものすごい速さで増える。条件がそろうと20分ごとに2倍になることもあるんだ。甘い水は細菌の大好物だから、海が甘くなると海じゅうで細菌が増えて、くさってしまう。でも細菌はわるものばかりではなく、ヨーグルトやなっとうを作ってくれる、人の役に立つ細菌もたくさんいるよ。

塩分濃度(えんぶんのうど)

水にとけている塩の割合のこと。海水は約3.5%(水100gに塩が約3.5g)で、川の水はほとんど0%に近い。海の生き物は、この海水の塩分濃度に合わせた体を持っているんだ。だから塩分濃度が大きく変わると、生きていけなくなってしまう。ちなみに人の体の血液は約0.9%で、海水よりうすいんだよ。

生態系(せいたいけい)

ある場所でくらす生き物たちと、その場所の自然(水・空気・土など)が、たがいにつながり合って作っているまとまりのこと。海の生態系では、魚・サンゴ・海そう・プランクトンなどが「食べる・食べられる」でつながっている。ひとつがくずれると、ドミノだおしのように全体に影響が広がるんだ。だから海がしょっぱいことは、たくさんの命をささえるじょうけんになっているよ。


🔖 関連記事
なんで海は塩辛いの?川の水は塩辛くないのに
もしも海がなくなったら、地球はどうなるの?

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👉 「じゃあ本当はなんで海はしょっぱいの?」が気になった方は、「なんで海は塩辛いの?川の水は塩辛くないのに」もあわせてどうぞ。海の塩にかくされた何億年もの歴史がわかります。

👉 海そのもののすごさを知りたい方は、「もしも海がなくなったら、地球はどうなるの?」もおすすめです。

最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟

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Xでも、もしまる

生き物や科学のちいさな「なんで?」を、毎日ひとつぶやいています。親子の会話のネタ探しに、よかったらのぞいてみてください。

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この記事を書いた人

もしまる家のパパ。ふだんは科学にたずさわる仕事をしている、2児の父です。毎週末、子どもたちと公園や野山で生き物探し。趣味はテニス。難しい科学を“勉強”じゃなく“冒険”として、親子で楽しむコツを発信しています。子どもの「もしも?」「なんで?」が大好物です。

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