なんで海は塩辛いの?川の水は塩辛くないのに

海辺で海の水をなめて驚くもしまる君と、なんでと首をかしげるなでなちゃん、解説するワクパパ、笑顔のぽかママ

海水浴で、うっかり海の水を口に入れてしまって「しょっぱい!」となった経験、ありませんか?海の水は、なめるとびっくりするほど塩辛いですよね。

でも、ふしぎなことがあります。海に流れ込んでいる川の水は、塩辛くありません。同じ「水」なのに、どうして海だけがこんなに塩辛いのでしょう?その答えには、なんと何億年もの地球の歴史がかくされているんです。

もしまる家の「なんで?」から、海の塩のひみつを一緒に探っていきましょう!


もしまる君

もしもさ〜!海の水ってなんであんなにしょっぱいの!?飲んだらべぇ〜ってなった!

なでなちゃん

でもさ、海に流れ込んでる川の水は塩辛くないよね?なんで海だけしょっぱいの??

ぽかママ

ほんとよね〜!あの塩、お料理に使えたらいいのに〜!

ワクパパ

いい疑問だなぁ、なでな!実はその答えには、何億年っていう地球の長〜い歴史がかくれてるんだ。聞いたらきっとびっくりするぞ。


目次

まずはクイズ!海の塩はどこから来たの?

🌟 もしまるクイズ!

「海の塩は、もともとどこから来たのでしょう?」

A)海の底からわき出している  B)川が陸から運んできた

C)魚が体から出している  D)はじめから海にあった

もしまる君

Aかな?海の底からブクブク出てそう!

なでなちゃん

川が運んできた……?でも川は塩辛くないよ?

🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!

答えは……B)川が陸から運んできた!(海底の岩からも少し溶け出しています)

「えっ、塩辛くない川が塩を運ぶの?」と思いますよね。そのナゾを解いていきましょう。


川の水にも、ほんの少し塩が溶けている

実は、川の水にもほんのわずかな塩(ミネラル)が溶けています。雨が地面や岩を通るとき、岩にふくまれる塩の成分を少しずつ溶かしながら、川になって流れていくのです。

ただ、その量はとても少なくて、なめても塩辛さを感じないくらい。川を流れる途中で塩分の多くが岩や土に吸収されたり植物に取り込まれたりするため、川が塩辛くなることはないんです。だから「川の水は塩辛くない」と感じるんですね。

その川が、毎日毎日、何千年も何万年も、塩を少しずつ海に運び続けています。

なでなちゃん

川の水にも、ちょっとだけ塩が入ってたんだ……気づかないくらい少しだけ!


海で「水だけ」が出ていくから、塩が濃くなる

ここがいちばん大事なポイントです。海では、太陽に温められた水が水蒸気(すいじょうき)になって空へ出ていきます。これを「蒸発(じょうはつ)」といいます。

このとき、空へ出ていくのは水だけ。塩は海に残ります。つまり、川が塩を運び込み、水だけがどんどん出ていく。これがくり返されることで、海の塩はだんだん濃くなっていったのです。

雨が岩の塩を少し溶かし川が海へ運び、海では太陽で水だけが蒸発して塩が残る循環を示す図解

料理でスープを煮詰めると、水分が減って味が濃くなりますよね。海もそれと同じで、何億年もかけて煮詰まったスープのようなものなのです。

鍋のスープが煮詰まって味が濃くなるように、海も水だけ蒸発して塩が濃くなることを対比した図解

その塩の量は、想像をこえるほど。もし海にとけている塩をぜんぶ取り出して、地球の陸の上にしきつめたとしたら、なんと150mほどの厚さでおおえると言われています。ビルでいえば40〜50階分。海は、それほどとんでもない量の塩を、その身にとかし込んでいるのです。

もしまる君

えーー!海って、何億年も煮詰めたスープなの!?スケールでかすぎ!!

ワクパパ

うまいたとえだろ?水だけが空へにげて、塩はずっと残る。だから海はゆっくり、ゆっくり塩辛くなっていったんだ。


死海は、どうしてあんなに塩辛いの?

世界には、ふつうの海よりずっと塩辛い「死海(しかい)」という湖があります。塩がとても濃いので、人が浮かべるほど。なぜそんなに塩辛いのでしょう?

死海には、水が流れ込んでくる川はあるのに、流れ出ていく川がありません。しかも暑い土地にあるため、水だけがどんどん蒸発します。塩はにげ場がなく、ひたすらたまっていくのです。

「水だけが出ていって、塩が残る」という海のしくみが、死海ではさらに強く起きている、というわけですね。

川が流れ込むが流れ出る川がなく、塩がたまり続けて人が浮くほど塩辛くなる死海のしくみの図解
なでなちゃん

流れ出る川がないと、塩がたまる一方なんだ……だから人が浮くくらい塩辛くなるんだね!

ぽかママ

プカプカ浮けるなんて、ちょっと体験してみたいかも〜!


海の塩の濃さは、ずっと変わらないの?

「何億年もかけて濃くなってきたなら、今も海はどんどん塩辛くなっているの?」と思うかもしれません。でも実は、現在の海の塩分濃度は、ほぼ一定に保たれています。

その理由は、塩の「出入り」がつり合っているからです。川が塩を運び込む一方で、海底の岩や砂が塩の成分を吸収したり、生き物がカルシウムなどのミネラルを殻や骨に取り込んで、海底に沈んでいきます。こうして、入ってくる塩と出ていく塩がバランスを保っているのです。

現在の海の塩分濃度は約3.5%(1リットルの海水に約35グラムの塩が溶けている)。この濃度は、何億年も前からほぼ変わっていないと考えられています。地球は、長い時間をかけてこのバランスを作り出してきたのです。

なでなちゃん

入る量と出る量がつり合ってるんだ……地球って自分でバランスを保ってるんだね!

ワクパパ

そうなんだ。生き物も地形も、みんなが海の塩のバランスに関わっている。地球はつながってるんだよ。


海の水を、飲み水にすることはできるの?

「こんなに海の水があるなら、飲み水にできたらいいのに」と思いますよね。実は、それを実現する技術があります。

海の水から塩を取りのぞいて、飲める水にすることを「淡水化(たんすいか)」といいます。とても細かいフィルター(逆浸透膜/ぎゃくしんとうまく)に海の水を通すと、水だけが通りぬけ、塩がせき止められるしくみです。

水が足りない国では、この淡水化の工場が大活躍しています。海の塩のひみつを知ることは、世界の水の問題を考えることにもつながっているんですね。

ワクパパ

海の水は地球にたっぷりあるけど、そのままじゃ飲めない。だから『塩をどう取りのぞくか』は、世界中で大事な研究テーマなんだ。


まとめ|海は「何億年もかけて煮詰まったスープ」だった!

  • 海の塩は、おもに川が陸から運んできたもの
  • 川の水にもほんの少しだけ塩が溶けている(感じないくらい)
  • 海では水だけが蒸発して出ていき、塩が残る
  • これが何億年もくり返され、海はだんだん塩辛くなった
  • 死海は流れ出る川がなく、塩がたまり続けるので超塩辛い
  • 淡水化の技術で、海の水を飲み水にすることができる
なでなちゃん

海がしょっぱいのに、こんなに長い歴史があったなんて……ちゃんとわかった!

もしまる君

今度海に行ったら『これ何億年もののスープだ〜!』って言っちゃう!

ワクパパ

いいなぁ、それ!いつもの海も、知ると見方が変わるだろ。知るって、ワクワクするよな。


💡 もしまる辞典|今日のことば

蒸発(じょうはつ)

水が、水蒸気(目に見えない気体)になって空気中へ出ていくこと。海では水だけが蒸発して、塩は残るんだ。だから海はだんだん塩辛くなったんだよ。太陽のエネルギーが強いほど海からの蒸発量が増え、雲や雨の量も多くなる。つまり太陽・蒸発・雲・雨は地球の水の循環を動かす「エンジン」でもあるんだ。

ミネラル

塩のもとになる成分など、岩や水にふくまれる体に大切な成分のこと。川の水にもほんの少し溶けていて、それが海に運ばれているよ。ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムなどが代表的で、骨・筋肉・神経の働きを支えている。海水にふくまれるミネラルは、生き物の体液と成分が似ており、「生命の起源が海にある」という説の根拠のひとつにもなっているよ。

死海(しかい)

イスラエルとヨルダンのあいだにある、とても塩辛い湖。流れ出る川がなく塩がたまり続けるので、人がプカプカ浮けるほど塩が濃いんだ。塩分濃度は約30%(普通の海の約10倍)。この高い塩分のため、魚や水草などの生き物はほとんどすんでいない。それが「死の海(しにのうみ)」という名前の由来だよ。ただ、特殊なバクテリアなど塩分に強い微生物は生きているんだ。

塩分濃度(えんぶんのうど)

水に溶けている塩の割合のこと。海水は約3.5%(水100gに塩が約3.5g)。死海は約30%にもなる。川の水は0.01%以下でほとんど感じられない。体の血液は約0.9%の塩分濃度で、これが海水より薄い理由のひとつが「生命の起源は海だった」という説とも関係しているよ。

淡水化(たんすいか)

海の水から塩を取りのぞいて、飲める水(淡水)にすること。細かいフィルターを使う方法があり、水の少ない国で役立っているよ。現在、世界170か国以上で淡水化プラントが稼働している。特に中東・北アフリカなど水が不足している地域では重要なインフラになっている。ただし、大量のエネルギーが必要なことが課題で、太陽光などの再生可能エネルギーと組み合わせた淡水化技術の研究も進んでいるよ。


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👉 海のすごさをもっと知りたい方は、「もしも海がなくなったら、地球はどうなるの?」もあわせてどうぞ。

最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟

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この記事を書いた人

もしまる家のパパ。ふだんは科学にたずさわる仕事をしている、2児の父です。毎週末、子どもたちと公園や野山で生き物探し。趣味はテニス。難しい科学を“勉強”じゃなく“冒険”として、親子で楽しむコツを発信しています。子どもの「もしも?」「なんで?」が大好物です。

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