地球は「水の惑星」と呼ばれ、表面の約7割が海でおおわれています。あまりにも当たり前にそこにある海。でも、もしその海がぜんぶなくなってしまったら、地球はいったいどうなるのでしょう?
「魚が住めなくなる」だけではありません。実は、わたしたちが毎日吸っている酸素や、地球全体の気温まで、大きく変わってしまうんです。海は、わたしたちが思っているよりずっと大きな仕事をしています。
もしまる家の「もしも?」から、海のすごさを一緒に考えてみましょう!
もしもさ〜!地球から海がぜんぶなくなったら、どうなるの!?魚さんは困っちゃうよね!



魚だけじゃなくて……なんか、もっといろいろ起きそうな気がする。なんで?
海がなくなるなんて考えたこともなかった〜!想像したらちょっとこわいかも!



いいところに気づいたな、なでな!海がなくなると、実は『息ができなくなる』かもしれないんだ。なんでだと思う?一緒に見ていこう!
まずはクイズ!地球の酸素はどこで作られている?
🌟 もしまるクイズ!
「地球の酸素の約半分は、どこで作られているでしょう?」
A)森や草原の植物 B)海の中の小さな生き物
C)土の中の菌 D)宇宙から届いている
ぜったいA!森の木が酸素を作るんでしょ!



わたしはC……かな。土の中の菌が作ってる気がするな。
🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!
答えは……B)海の中の小さな生き物!
「森じゃないの!?」と驚きますよね。その理由を見ていきましょう。
地球の酸素の半分は、海が作っている


海の中には、植物プランクトン(しょくぶつプランクトン)という、とても小さな生き物がたくさんいます。目には見えないほど小さいのですが、その数はものすごく多く、太陽の光を浴びて光合成(こうごうせい)をしています。
光合成とは、二酸化炭素と水から、栄養と酸素を作るはたらきのこと。植物プランクトンは、この光合成で地球の酸素の約半分を作り出していると言われています。
つまり、わたしたちが吸っている空気の酸素の半分は、海からのおくりもの。もし海がなくなったら、この酸素が作られなくなり、地球の空気は大ピンチになってしまうのです。
えーー!!ぼくたちの吸ってる酸素の半分が、海の小さい生き物のおかげなの!?知らなかった〜!!



そうなんだ。森も大事だけど、海も負けないくらい大事な『地球の肺』なんだよ。
海は、地球の気温を「ちょうどよく」保っている


海のもうひとつの大きな仕事が、地球の気温を安定させることです。
水には「あたたまりにくく、冷めにくい」という性質があります。海はこの性質で、昼の暑さや夜の寒さ、夏と冬の気温の差を、ゆっくりやわらげる「クッション」のような役割をしています。
もし海がなくなったら、このクッションがなくなります。すると、昼はものすごく暑く、夜はものすごく寒い、激しい気温差の世界に。まるで砂漠のように、昼と夜で50℃以上も気温が変わってしまうかもしれません。生き物がとても生きにくい地球になってしまうのです。月の昼と夜で気温が大きくちがうのも、海や空気がないことが関係しています。



海が、暑さも寒さもやわらげてくれてたんだ……気づかないところで大活躍だね!
海って、ただ広いだけじゃないのね〜。なんだかありがたい気持ちになってきた。
雨も降らなくなる?水のめぐりが止まる


海がなくなると、雨にも大きな影響が出ます。
地球の水は、ぐるぐるとめぐっています。海の水が蒸発して雲になり、雲が雨を降らせ、雨が川になって海へ戻る——この流れを「水の循環(じゅんかん)」といいます。
雲のもとになる水蒸気の多くは、広い海から蒸発しています。もし海がなくなれば、雲ができにくくなり、雨もほとんど降らなくなってしまいます。陸の植物も育たなくなり、地球はカラカラの星になってしまうかもしれません。
海がなくなると、雨も降らなくなるの!?ぜんぶつながってるんだ……!
海の中には、まだ知らない世界が広がっている
こんなに大切な海ですが、実はわたしたちは海のことをまだほとんど知りません。
とくに深い海(深海/しんかい)は、約80%がまだ調べられていないと言われています。宇宙のことはどんどんわかってきているのに、足元の海の底には、まだ見たことのない生き物や景色が広がっているのです。



宇宙より、実は深海のほうがナゾだらけなんだ。海には、まだ誰も見たことのない生き物がいるかもしれない。それな、科学者もまだ研究中なんだよ!だからもっとワクワクするんだ。



この前読んだ深海の図鑑、見たことない形の生き物だらけだったよ!足元の海に、まだ知らない世界があるんだ……探検してみたい!
海と地球温暖化のつながり
実は、海は今の地球温暖化ともふかく関係しています。わたしたちが出す二酸化炭素(CO₂)のうち、約3割は海が吸い込んでくれていると言われています。いわば、海は地球の「CO₂の吸収装置」の役割もになっているのです。
でも、海が吸い込みすぎると問題が起きます。CO₂が海の水に溶けると、海の水が少しずつ酸性(すっぱい性質)に変わっていく「海洋酸性化(かいようさんせいか)」という現象です。酸性の水は、サンゴや貝などの生き物がからだを作るのに必要な成分(炭酸カルシウム)を溶かしてしまいます。世界中のサンゴ礁(さんごしょう)が白く変色してしまう「白化現象」は、この酸性化と海水温の上昇が大きな原因のひとつとされています。
また、海の水温が上がると海水が膨張(ぼうちょう)して体積が増えます。さらに、北極や南極の氷がとけて海に流れ込むことで、世界の海面が少しずつ上がっています。これが「海面上昇(かいめんじょうしょう)」です。海面が上がると、低い土地や小さな島が水につかってしまう危険があります。
海は、地球温暖化の「緩和役」でもあり「被害者」でもあります。海のことを知ることは、地球の未来を考えることにもつながっているのですね。



海がCO₂を吸い込んでくれてるのに、そのせいで酸っぱくなって生き物が困ってるなんて……。



そうなんだ。海は何十億年も地球を支えてきた。でも今は、人間の活動によって海自身が傷つき始めている。だからこそ、海のことをちゃんと知ることが大切なんだよ。
世界では、サンゴ礁を守るためにCO₂排出量を減らす取り組みや、海のプラスチックごみを回収する活動、海洋保護区(海の自然を守る区域)を増やす国際的な取り組みが進んでいます。海の健康は、地球上のすべての生き物の健康とつながっています。「海がなくなったら?」という問いは、「今ある海をどう守るか?」という問いへと、自然につながっていくのですね。
まとめ|海は、地球の生き物すべてを支えていた!
- 地球の酸素の約半分は海の植物プランクトンが作っている
- 海は気温を安定させるクッションの役割をしている
- 海がなくなると昼はものすごく暑く、夜はものすごく寒くなる
- 海は水の循環のもと。なくなると雨も降らなくなる
- 深海は約80%が未探索。まだ知らない世界が広がっている
- 海はCO₂を吸収しているが、吸いすぎると海洋酸性化が進みサンゴが傷つく
- 海水温の上昇と氷の溶解による海面上昇が進んでいる



海って、魚のおうちなだけじゃなくて、地球の生き物ぜんぶを支えてたんだね。ちゃんとわかった!
海ってすごすぎる!次に海に行ったら『ありがとう!』って言う!



いいなぁ、その気持ち。あるのが当たり前のものほど、実はすごい仕事をしてるんだ。知るって、ワクワクするだろ?
💡 もしまる辞典|今日のことば
植物プランクトン(しょくぶつプランクトン)
海の中をただよう、目に見えないほど小さな生き物。太陽の光で光合成をして、地球の酸素の約半分を作っているよ。小さいけれど、とても大きな仕事をしているんだ。
光合成(こうごうせい)
植物や植物プランクトンが、太陽の光をつかって、二酸化炭素と水から栄養と酸素を作るはたらきのこと。陸の植物だけでなく、海の植物プランクトンも光合成をして、地球の空気の酸素を作り出しているよ。
水の循環(じゅんかん)
海の水が蒸発して雲になり、雨になって降り、川を通ってまた海に戻る、という水のめぐりのこと。海はこの循環の出発点になっているんだ。
深海(しんかい)
太陽の光がほとんど届かない、深い海のこと。水圧がとても高く、調べるのがむずかしいため、約80%がまだ未探索なんだよ。
海洋酸性化(かいようさんせいか)
人間が出すCO₂を海が吸い込むことで、海の水が少しずつ酸性に変わっていく現象のこと。酸性になるとサンゴや貝など、体をつくるのに炭酸カルシウムが必要な生き物が殻を作れなくなったり、白化(はっか)してしまったりするんだ。
海面上昇(かいめんじょうしょう)
地球温暖化によって海水温が上がり、海水が膨張したり、北極や南極の氷河・氷床が溶けて海に流れ込んだりすることで、世界の海面が少しずつ上がっていく現象のこと。低い土地や小さな島が水につかる危険があるんだ。
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【おうちの方へ】「もしも海がなくなったら?」を考えることは、「今ある海をどう守るか?」を考えることでもあります。お買い物でマイバッグを使う、プラスチックごみを減らす、水を大切に使う——そんな小さな行動が、めぐりめぐって海とつながっています。ぜひこの記事をきっかけに、お子さんと「わたしたちにできること」を話してみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとうございます!次の「もしも?」「なんで?」でもお会いしましょう🌟





