【ワクパパ魔法研究所 No.3】なんで色の水は混ざらないの?4色を重ねたら、卵がとちゅうで止まった

砂糖水が層になったグラスの中ほどで、生卵が沈みもせず浮きもせずに止まっている
もしまる君

ねえ、ジュースの色が上と下でちがうやつ、あるよね

ワクパパ

カクテルみたいなやつだな。あれ、おうちでも作れるぞ

なでなちゃん

え、どうやって?混ざらないの?

ワクパパ

混ざらない。そのかわり、重ねかたにコツがいる

なでなちゃん

重ねかた?

ワクパパ

そう。ひとかき混ぜたら、もうやり直し。そーっと、順番に乗せていく

前回(なんで卵は塩水に浮くの?)は、塩水で卵を浮かせました。今回は砂糖です。

同じ水なのに、混ざらない。そして最後には、思っていなかったことが起きました。


目次

まずクイズ!4色の水を重ねたグラスに、生卵を入れたら?

🌟 もしまるクイズ!

「砂糖の量を変えた4色の水を、そーっと重ねてグラスに入れます。そこへ生卵をそっと入れたら、どうなると思いますか?」

A)いちばん下まで沈む
B)いちばん上に浮く
C)とちゅうで止まる

もしまる君

ぜったい沈むよ。卵って重いもん

なでなちゃん

でも「魔法」って言うくらいだから、なんかあるんじゃない?

🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!

答えはC)とちゅうで止まる。

なぜそんなことが起きるのか。そしてそのあと混ぜたら、卵はもっと不思議な動きをしました。この先で、失敗もふくめて全部書きます。


🔮 今日の魔法:卵が、水のとちゅうで止まる

グラスの中ほどで卵が止まっている。上は黒っぽく、下はオレンジ色
沈みもせず、浮きもせず。とちゅうで止まりました
もしまる君

うわ、止まってる!なんで!?

ぽかママ

ほんとだ、宙に浮いてるみたい

種も仕掛けもあります。砂糖と水だけです。


🧪 用意するもの

上白糖・食紅4色・透明なグラス・ステンレスの小さな器4つ・計量スプーンを木のテーブルに並べた写真
買ったのは食紅だけ。あとは家にあるもので足ります
  • 上白糖(グラニュー糖でもOK)
  • 食紅 4色(今回は赤・黄・ピンク・青。セリアで買えます)
  • 透明なグラス 1つ(まっすぐで単層のもの。今回は420ml)
  • 小さな容器 4つ(色水を作る用)
  • 大さじ(計量スプーン)、計量カップ、スプーン、つまようじ
  • 生卵 1個
  • 水 250ml(50ml×4 と、いちばん上にのせる真水50ml)

⚠️ 生卵はすべりやすいので、グラスに入れるときは低い位置から。実験がおわったら、手を洗いましょう。


番号をつけると、あとがラクです

4つの小さな器に、1から4までの番号を書いたテープが貼られている
マスキングテープに1〜4と書いて貼りました

小さな容器に、1・2・3・4と番号をつけました。この数字が、そのまま入れる砂糖の大さじの数です。

なでなちゃん

1番には大さじ1、4番には大さじ4ってこと?

ワクパパ

そう。番号と中身がつながってると、まちがえないからな

計量スプーンですくった砂糖を、1番の器に入れようとしているところ
1番の器に、大さじ1杯
4つの器に、量のちがう砂糖がそれぞれ入っている
4つとも入れたところ。1番と4番だと、こんなにちがう

砂糖をとかす。ここが最初の山でした

計量カップから、砂糖の入った器へ水を注いでいるところ
どの器にも、水は50mlずつ

水は4つとも50mlでそろえます。ちがうのは砂糖の量だけ。ここをそろえないと、あとで比べる意味がなくなります。

スプーンで器の中の砂糖水をかき混ぜているところ
スプーンでひたすら混ぜる

そして——これがなかなか大変でした。

大さじ1は、すぐ溶けました。ところが、砂糖が増えるほど溶けにくくなります。大さじ4は、いくら混ぜても白いつぶが残る。

もしまる君

なかなか混ざらないな。パパやってよ

ワクパパ

……もうちょっと。もうちょっとで溶けるはず……

小さな容器で混ぜたので、まわりに飛び散りました。とくに大さじ4は混ぜている時間が長かったぶん、いちばん飛びました。

砂糖が溶けて透明になった砂糖水を真上から見た写真
ようやく透明に

💡 ここがポイント

とけ残っていると、その水は重くなっていません。
砂糖は、水にとけて初めて水を重くします。底に残っているつぶは、そこに置いてあるだけ。いちばん下になる色こそ、いちばんしっかり溶かしてください。

前回の卵と塩水でも、まったく同じことが起きました。「入れた」と「とけた」は、ぜんぜんちがうことなんです。

⚠️ 飛び散った砂糖水は、すぐ拭いてください。放っておくと机がベタベタになります(なりました)。


色をつける

食紅の袋から、つまようじの先に粉を取っているところ
つまようじの先に、ほんの少しだけ

食紅は粉です。つまようじの先につけて、少しずつ足しながら、色を見て決めます。いっぺんに入れると濃くなりすぎます。

今回はこう割り当てました。

番号さとう色
4大さじ4赤
3大さじ3黄
2大さじ2ピンク
1大さじ1青
1から4まで番号をつけた4つの器に、青・ピンク・黄・赤の砂糖水が入っている
4色そろいました。水はぜんぶ50mlです
なでなちゃん

きれー!

💡 ここがポイント

色の濃さは、砂糖とは関係ありません。
色を決めているのは食紅の量です。「濃い色だから砂糖が多い」ではありません。4色とも、同じくらいの濃さにそろえておくと、あとで見やすくなります。


重ねる。1回目は、混ざりました

4色の砂糖水と、空の透明なグラスが並んでいる
このグラスに、重ねていきます

いちばん重い赤(大さじ4)から入れます。

子どもの手が、赤い砂糖水をグラスに注いでいるところ
まずは赤
グラスの底に赤い砂糖水だけが入っている
ここまでは順調

次は黄色(大さじ3)。赤より軽いので、上に乗るはずです。

器から黄色い砂糖水を、グラスの水面へ直接そそいでいるところ
器から、そーっと注ぎました
ワクパパ

ここで分かれるはず……

赤と黄色が混ざってオレンジ色になったグラス
赤と黄色が混ざって、オレンジになりました
もしまる君

あっ、オレンジになった!!

子どもは大よろこびでしたが、これは失敗です。分かれていれば、赤と黄色は2つの層のまま。オレンジになったということは、混ざったということです。

ワクパパ

……そうか。「そーっと」が足りなかったんだ

ゆっくり注いだつもりでした。でも、水面に直接落とすと、その勢いで下の水をかき回してしまいます。


スプーンの背を伝わせたら、分かれました

そこでやり方を変えました。

グラスの内がわに立てかけたスプーンの背を伝わせて、砂糖水を注いでいるところ
スプーンをグラスの内がわに立てかけて、その背を伝わせる

これがこの実験でいちばん大事なコツです。

スプーンをグラスの内壁に立てかけて、その背に沿って流し込む。水は落ちずに、壁を伝ってそっと広がります。

グラスの上のほうだけ色がうすくなり、境目の線が見えている
ピンク(大さじ2)。上のほうだけ、色がうすくなりました
なでなちゃん

あっ、少し薄くなったね

うすくなったのではありません。上にピンクの層が乗ったので、そこだけ色がちがって見えているんです。さっきのオレンジとは、起きたことが逆でした。

子どもが指をさしているグラス。上が黒っぽく、下がオレンジ色に分かれている
青(大さじ1)を入れたところ。境目がはっきり

💡 ここがポイント

失敗した1色目と、うまくいった3色目のちがいは、注ぎ方だけです。
砂糖の量も、水の量も、同じ。手つきだけで結果が変わりました。


5層になりました

いちばん上に、真水を50ml重ねます。砂糖ゼロなので、いちばん軽い水です。

細長いグラスの中で、砂糖水が色ごとに層になっている
下から、赤・黄・ピンク・青・真水
もしまる君

お店で売ってるやつみたい!

正直に書いておくと、下半分(赤と黄)は混ざったままです。きれいに分かれているのは、ピンクから上。それでも、5つの層はできました。

青を入れたのに、青く見えない

ひとつ、ふしぎなことがありました。

上から2番目は青い砂糖水です。なのに、黒っぽく見えます。

もしまる君

青じゃなくて、黒っぽくなった!

理由ははっきり分かりません。色が濃すぎて、厚みがあると黒く見えるのかもしれませんし、下のオレンジ色と重なったのかもしれません。

分からないことは、分からないまま書いておきます。もし理由が分かった方がいたら、教えてください。


🥚 卵を入れてみる

さあ、クイズの答え合わせです。

子どもが生卵を手に持ち、グラスの横で構えている
卵は落とさない。手で持って、水面まで運びます

落とすと、せっかくの層が壊れます。グラスのふちから手を入れて、水面にそっと置いて、指を離す。

グラスの水面に置いた卵から、指を離した瞬間
指を離した瞬間
もしまる君

沈む沈む沈む……

グラスの中ほどで卵が止まっている。上は黒っぽく、下はオレンジ色
沈みもせず、浮きもせず。とちゅうで止まりました
もしまる君

止まった!!

なでなちゃん

ほんとだ、まんなかで止まってる

答えはC)とちゅうで止まるでした。

とちゅうで止まった卵を、子どもが指さしている
何度見ても不思議です

卵は、上の軽い水は通りぬけて、下の重い水には入っていけなかった。ちょうどつり合う場所で、止まりました。


混ぜたら、卵が浮いてきた

ここからが、いちばん驚いたところです。

もしまる君

混ぜたらどうなるの?

ワクパパ

……やってみるか

スプーンでグラスの中をかき混ぜているところ。層がくずれ始めている
せっかくの層を、ぐるぐる
全体が茶色くなった液の中で、卵が水面まで浮かび上がっている
卵が、いちばん上まで浮いてきました
なでなちゃん

えっ、なんで!?さっきは止まってたのに!

卵の頭が、水面から出ています。

💡 ここがポイント

砂糖も水も、1gも増えていません。
増やしても減らしてもいないのに、卵は浮き上がりました。

なぜでしょう。

混ぜる前、卵の上にあったのは青と真水——卵より軽い水でした。軽い水の中には浮き上がれないので、卵はとちゅうで止まっていた。

混ぜたあと、その軽い水にも砂糖がまわって、重くなった。卵より重い水になったので、卵はその中を上まで浮かんできた。

全体の重さは変わっていません。変わったのは「場所ごとの濃さ」だけです。


✨ タネあかし:密度(みつど)

同じ大きさでくらべたときの、重さのつまり具合を密度(みつど)といいます。

砂糖をたくさんとかした水は、同じ50mlでも重い。だから下にとどまります。とけている砂糖が少ない水は軽いので、上にとどまる。

重いものが下、軽いものが上。水どうしでも、これは同じです。

ワクパパ

海で体が浮きやすいのも、これと同じだよ。海の水には塩がとけているからね

海の塩がどこから来たのかは、なんで海は塩辛いの?で書いています。氷が水に浮くのも、同じ密度の話です(もしも水が凍らなかったら)。


わかったこと 3つ

  • とけて初めて、水は重くなる。底に残っている砂糖は、水を重くしていない
  • 注ぎ方だけで結果が変わる。直接そそぐと混ざる。スプーンの背を伝わせると分かれる
  • 混ぜても、全体の重さは変わらない。変わるのは「場所ごとの濃さ」。だから卵が浮き上がった

おうちでやるときのコツ

水は、同じ計量カップで4回はかる。目分量でやると、そこだけ濃さが変わって、層の順番が入れかわります。ここは面倒でも1回ずつ。

いちばん下になる色を、いちばんしっかり溶かす。砂糖が多いほど溶けにくいので、ここが手を抜きやすいところです。

注ぐのは、スプーンの背を伝わせて。ここだけは省略しないでください。

大きめの容器で混ぜる。小さいと飛び散ります。飛んだ砂糖水は、すぐ拭く。

グラスは、まっすぐで単層のものを。二重のグラスは、ガラスが2枚あるぶん、層の境目がどこにあるのか読み取れません。

写真を撮るときは、カメラを水面と同じ高さに。見下ろすと境目が楕円にのびて、線がぼやけます。自由研究の記録を撮るときにも使えます。

この実験を自由研究にするなら、自由研究のテーマが決まらない小学生へに、まとめ方の型を書いています。


⚠️ 味見について

4色そろった色水を見て、娘が「なめたい」と言いました。

なでなちゃん

1個だけ、1個だけ!

……ペロペロなめていました。激甘でした。

今回は砂糖と食用色素だけなので、体に害はありません。ただ、実験で作ったものを口に入れるのは、基本はやめておきましょう。次が洗剤や塩の実験だったときに困るからです。

なめてしまったら、歯はしっかり磨いてください。


💡 もしまる辞典

🔍 密度(みつど)
「同じ大きさなら、どっちが重いか」をあらわすことば。砂糖がたくさんとけた水は、同じ50mlでも重い。ものが浮くか沈むかは、これで決まる。

🔍 濃さ(こさ)
水にどれくらいのものがとけているか。入れた量ではなく、とけた量で決まる。


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🧰 もっと実験してみたい子へ

「とけると重くなる」を、いろいろな材料でためせるキットです。ミョウバンや食塩で結晶も作れるので、この記事の続きがそのまま入っています。


🔖 ほかの研究ファイル(ワクパパ魔法研究所)

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Xでも、もしまる

生き物や科学のちいさな「なんで?」を、毎日ひとつぶやいています。親子の会話のネタ探しに、よかったらのぞいてみてください。

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この記事を書いた人

もしまる家のパパ。ふだんは科学にたずさわる仕事をしている、2児の父です。毎週末、子どもたちと公園や野山で生き物探し。趣味はテニス。難しい科学を“勉強”じゃなく“冒険”として、親子で楽しむコツを発信しています。子どもの「もしも?」「なんで?」が大好物です。

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