ねえ、ジュースの色が上と下でちがうやつ、あるよね



カクテルみたいなやつだな。あれ、おうちでも作れるぞ



え、どうやって?混ざらないの?



混ざらない。そのかわり、重ねかたにコツがいる



重ねかた?



そう。ひとかき混ぜたら、もうやり直し。そーっと、順番に乗せていく
前回(なんで卵は塩水に浮くの?)は、塩水で卵を浮かせました。今回は砂糖です。
同じ水なのに、混ざらない。そして最後には、思っていなかったことが起きました。
まずクイズ!4色の水を重ねたグラスに、生卵を入れたら?
🌟 もしまるクイズ!
「砂糖の量を変えた4色の水を、そーっと重ねてグラスに入れます。そこへ生卵をそっと入れたら、どうなると思いますか?」
A)いちばん下まで沈む
B)いちばん上に浮く
C)とちゅうで止まる
ぜったい沈むよ。卵って重いもん



でも「魔法」って言うくらいだから、なんかあるんじゃない?
🤔 どれだと思う?タップで答え合わせ!
答えはC)とちゅうで止まる。
なぜそんなことが起きるのか。そしてそのあと混ぜたら、卵はもっと不思議な動きをしました。この先で、失敗もふくめて全部書きます。
🔮 今日の魔法:卵が、水のとちゅうで止まる


うわ、止まってる!なんで!?
ほんとだ、宙に浮いてるみたい
種も仕掛けもあります。砂糖と水だけです。
🧪 用意するもの


- 上白糖(グラニュー糖でもOK)
- 食紅 4色(今回は赤・黄・ピンク・青。セリアで買えます)
- 透明なグラス 1つ(まっすぐで単層のもの。今回は420ml)
- 小さな容器 4つ(色水を作る用)
- 大さじ(計量スプーン)、計量カップ、スプーン、つまようじ
- 生卵 1個
- 水 250ml(50ml×4 と、いちばん上にのせる真水50ml)
⚠️ 生卵はすべりやすいので、グラスに入れるときは低い位置から。実験がおわったら、手を洗いましょう。
番号をつけると、あとがラクです


小さな容器に、1・2・3・4と番号をつけました。この数字が、そのまま入れる砂糖の大さじの数です。



1番には大さじ1、4番には大さじ4ってこと?



そう。番号と中身がつながってると、まちがえないからな




砂糖をとかす。ここが最初の山でした


水は4つとも50mlでそろえます。ちがうのは砂糖の量だけ。ここをそろえないと、あとで比べる意味がなくなります。


そして——これがなかなか大変でした。
大さじ1は、すぐ溶けました。ところが、砂糖が増えるほど溶けにくくなります。大さじ4は、いくら混ぜても白いつぶが残る。
なかなか混ざらないな。パパやってよ



……もうちょっと。もうちょっとで溶けるはず……
小さな容器で混ぜたので、まわりに飛び散りました。とくに大さじ4は混ぜている時間が長かったぶん、いちばん飛びました。


💡 ここがポイント
とけ残っていると、その水は重くなっていません。
砂糖は、水にとけて初めて水を重くします。底に残っているつぶは、そこに置いてあるだけ。いちばん下になる色こそ、いちばんしっかり溶かしてください。
前回の卵と塩水でも、まったく同じことが起きました。「入れた」と「とけた」は、ぜんぜんちがうことなんです。
⚠️ 飛び散った砂糖水は、すぐ拭いてください。放っておくと机がベタベタになります(なりました)。
色をつける


食紅は粉です。つまようじの先につけて、少しずつ足しながら、色を見て決めます。いっぺんに入れると濃くなりすぎます。
今回はこう割り当てました。
| 番号 | さとう | 色 |
|---|---|---|
| 4 | 大さじ4 | 赤 |
| 3 | 大さじ3 | 黄 |
| 2 | 大さじ2 | ピンク |
| 1 | 大さじ1 | 青 |





きれー!
💡 ここがポイント
色の濃さは、砂糖とは関係ありません。
色を決めているのは食紅の量です。「濃い色だから砂糖が多い」ではありません。4色とも、同じくらいの濃さにそろえておくと、あとで見やすくなります。
重ねる。1回目は、混ざりました


いちばん重い赤(大さじ4)から入れます。




次は黄色(大さじ3)。赤より軽いので、上に乗るはずです。





ここで分かれるはず……


あっ、オレンジになった!!
子どもは大よろこびでしたが、これは失敗です。分かれていれば、赤と黄色は2つの層のまま。オレンジになったということは、混ざったということです。



……そうか。「そーっと」が足りなかったんだ
ゆっくり注いだつもりでした。でも、水面に直接落とすと、その勢いで下の水をかき回してしまいます。
スプーンの背を伝わせたら、分かれました
そこでやり方を変えました。


これがこの実験でいちばん大事なコツです。
スプーンをグラスの内壁に立てかけて、その背に沿って流し込む。水は落ちずに、壁を伝ってそっと広がります。





あっ、少し薄くなったね
うすくなったのではありません。上にピンクの層が乗ったので、そこだけ色がちがって見えているんです。さっきのオレンジとは、起きたことが逆でした。


💡 ここがポイント
失敗した1色目と、うまくいった3色目のちがいは、注ぎ方だけです。
砂糖の量も、水の量も、同じ。手つきだけで結果が変わりました。
5層になりました
いちばん上に、真水を50ml重ねます。砂糖ゼロなので、いちばん軽い水です。


お店で売ってるやつみたい!
正直に書いておくと、下半分(赤と黄)は混ざったままです。きれいに分かれているのは、ピンクから上。それでも、5つの層はできました。
青を入れたのに、青く見えない
ひとつ、ふしぎなことがありました。
上から2番目は青い砂糖水です。なのに、黒っぽく見えます。
青じゃなくて、黒っぽくなった!
理由ははっきり分かりません。色が濃すぎて、厚みがあると黒く見えるのかもしれませんし、下のオレンジ色と重なったのかもしれません。
分からないことは、分からないまま書いておきます。もし理由が分かった方がいたら、教えてください。
🥚 卵を入れてみる
さあ、クイズの答え合わせです。


落とすと、せっかくの層が壊れます。グラスのふちから手を入れて、水面にそっと置いて、指を離す。


沈む沈む沈む……


止まった!!



ほんとだ、まんなかで止まってる
答えはC)とちゅうで止まるでした。


卵は、上の軽い水は通りぬけて、下の重い水には入っていけなかった。ちょうどつり合う場所で、止まりました。
混ぜたら、卵が浮いてきた
ここからが、いちばん驚いたところです。
混ぜたらどうなるの?



……やってみるか







えっ、なんで!?さっきは止まってたのに!
卵の頭が、水面から出ています。
💡 ここがポイント
砂糖も水も、1gも増えていません。
増やしても減らしてもいないのに、卵は浮き上がりました。
なぜでしょう。
混ぜる前、卵の上にあったのは青と真水——卵より軽い水でした。軽い水の中には浮き上がれないので、卵はとちゅうで止まっていた。
混ぜたあと、その軽い水にも砂糖がまわって、重くなった。卵より重い水になったので、卵はその中を上まで浮かんできた。
全体の重さは変わっていません。変わったのは「場所ごとの濃さ」だけです。
✨ タネあかし:密度(みつど)
同じ大きさでくらべたときの、重さのつまり具合を密度(みつど)といいます。
砂糖をたくさんとかした水は、同じ50mlでも重い。だから下にとどまります。とけている砂糖が少ない水は軽いので、上にとどまる。
重いものが下、軽いものが上。水どうしでも、これは同じです。



海で体が浮きやすいのも、これと同じだよ。海の水には塩がとけているからね
海の塩がどこから来たのかは、なんで海は塩辛いの?で書いています。氷が水に浮くのも、同じ密度の話です(もしも水が凍らなかったら)。
わかったこと 3つ
- とけて初めて、水は重くなる。底に残っている砂糖は、水を重くしていない
- 注ぎ方だけで結果が変わる。直接そそぐと混ざる。スプーンの背を伝わせると分かれる
- 混ぜても、全体の重さは変わらない。変わるのは「場所ごとの濃さ」。だから卵が浮き上がった
おうちでやるときのコツ
水は、同じ計量カップで4回はかる。目分量でやると、そこだけ濃さが変わって、層の順番が入れかわります。ここは面倒でも1回ずつ。
いちばん下になる色を、いちばんしっかり溶かす。砂糖が多いほど溶けにくいので、ここが手を抜きやすいところです。
注ぐのは、スプーンの背を伝わせて。ここだけは省略しないでください。
大きめの容器で混ぜる。小さいと飛び散ります。飛んだ砂糖水は、すぐ拭く。
グラスは、まっすぐで単層のものを。二重のグラスは、ガラスが2枚あるぶん、層の境目がどこにあるのか読み取れません。
写真を撮るときは、カメラを水面と同じ高さに。見下ろすと境目が楕円にのびて、線がぼやけます。自由研究の記録を撮るときにも使えます。
この実験を自由研究にするなら、自由研究のテーマが決まらない小学生へに、まとめ方の型を書いています。
⚠️ 味見について
4色そろった色水を見て、娘が「なめたい」と言いました。



1個だけ、1個だけ!
……ペロペロなめていました。激甘でした。
今回は砂糖と食用色素だけなので、体に害はありません。ただ、実験で作ったものを口に入れるのは、基本はやめておきましょう。次が洗剤や塩の実験だったときに困るからです。
なめてしまったら、歯はしっかり磨いてください。
💡 もしまる辞典
🔍 密度(みつど)
「同じ大きさなら、どっちが重いか」をあらわすことば。砂糖がたくさんとけた水は、同じ50mlでも重い。ものが浮くか沈むかは、これで決まる。
🔍 濃さ(こさ)
水にどれくらいのものがとけているか。入れた量ではなく、とけた量で決まる。
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🧰 もっと実験してみたい子へ
「とけると重くなる」を、いろいろな材料でためせるキットです。ミョウバンや食塩で結晶も作れるので、この記事の続きがそのまま入っています。
🔖 ほかの研究ファイル(ワクパパ魔法研究所)
- セリアの食紅でできる!おうち科学実験5選(No.1)
- なんで卵は塩水に浮くの?書いてある通りにやったのに浮かなかった(No.2)
- なんで牛乳の色が動くの?(No.4・近日公開)
- なんで塩と氷でアイスが作れるの?(No.5・近日公開)
- なんで水は紙をのぼるの?(No.6・近日公開)









